生活保護の支給額について国は、当時の物価の下落などを反映する形で、2013年から2015年にかけて最大で10%引き下げました。
これについて鹿児島県内の受給者30人は、最低限度に満たない生活を強いられているなどとして、国に1人当たり1万円の賠償を求めるとともに、自治体が行った支給額の引き下げを取り消すよう求めていました。
15日の判決で鹿児島地方裁判所の坂庭正将裁判長は、「物価動向を勘案して生活扶助基準を改定すること自体は不合理とはいえないが、厚生労働大臣の判断には、統計などの客観的な数値との合理的な関連性を欠く点がある。裁量権の範囲の逸脱、または濫用があり、生活保護法に違反して違法だ」として、支給額の引き下げを取り消す判決を言い渡しました。
一方、賠償については「引き下げの決定が取り消されることで、損害は回復される」として退けました。
原告の弁護団によりますと、全国29の裁判所で起こされた同様の集団訴訟の1審判決は今回が24件目で、引き下げを取り消したのは去年10月の広島地裁に続いて13件目です。
生活保護費の引き下げ 取り消す判決 賠償は退ける 鹿児島地裁
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